ヒロまでは約45分のフライトですが、厚い雨雲の中、無事にフライトを終えて到着したヒロ空港はおもわず微笑んでしまいたくなるくらい木のぬくもりの感じられる時間が流れているのか止まっているのかわからないくらいのゆったりとした雰囲気に包まれた空間です。
雨の降りしきる中、とりあえずヒロ湾に面したホテルにチェックイン。
部屋は6Fの山側の部屋。
濡れた濃いグリーンのフィールドとバニヤンツリーの風景が雨のヒロの街を彩っていて素敵な眺めの部屋なのですが、せっかくヒロ湾に面したホテルだからヒロ湾が眺められる部屋に変えられないかとフロントにいたマネージャーに尋ねると、
「あ、ちょうど2Fの海側の部屋2012の掃除が終わった所だから見てみて気に入ったら部屋をチェンジしていいわよ」
と言って、カウンター越しに鍵をこちらに投げてくれました。
そこの部屋はヒロ湾はもちろん、クイーンリリオカラニがその昔、日本からやってきた移民たちに憩いの場所を提供しましょうと作った日本庭園が広がっています。
時が止まったような不思議な空間の公園を眺めながら一時遥か昔の移民の気持ちに思いを馳せながらその日本庭園をスケッチしてみました。居心地のよいホテルにいてもよかったのですが、取り合えず私が見てみたいのはボルケーノの爆発で流れ出た溶岩で街が覆いかぶさってしまったというカラパナ地区です。
雨の中、地図を片手にカラパナに向かいました。
道は海に沿って走っています。マングローブの林からちらちら見える海。しばらく走ると目の前に広がった海には4フィートはあるきれいな形のサーフが形成されています。そのサーフの周囲には数人のロコサーファーが雨の中、ぷかぷか浮いて次のパーフェクトな波を待っています。その場所は、なんだか外から来たものを拒否するようなそんな気がはっている場所であり、私は雨の降りしきる中、彼等の邪魔をしないようにその風景をしばらく眺めていました。
またしばらく海沿いの1本道を走ると、マングローブの林はいつの間にか終わり、黒光りした溶岩が目の前一面を覆う場所に突入。力強いこの場所に立つと自然の驚異の中で生きる一人の人間のあまりにも小さな存在を感じて言葉も出ません。
ずっと来てみたかったこの場所にやっと来る事ができました。全てここに存在する溶岩も海もサーフィンをしている人間達も皆、この降りしきる雨に浄められているようなそんな感じのする場所でした。
*車のフロント越しにカラパナの雨を撮影。
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