ハワイ沖で、海上自衛隊イージス艦「ちょうかい」によるスタンダードミサイル(SM3)実射訓練が、今週(11月17日の週)のどこかで実施されます。
去年の2007年にも、ハワイ時間で12月17日の正午過ぎに、ハワイ沖の太平洋上、カウアイ島北部の海域にて、初の弾道ミサイル迎撃実射訓練を実施しました。
北朝鮮が保有する、中距離弾道ミサイル「ノドン(射程約1,300km)」を想定した訓練で、模擬弾道ミサイルも、発射後にミサイルの推進部分と弾頭部分が分離する「ノドン型」と呼ばれるものを使用しました。
分離しない「スカッド型」と呼ばれる模擬弾に比べると、飛行速度がマッハ10前後と速いため迎撃の難易度が高く、前回の実射訓練では、その成功によりイージス艦による迎撃の信頼性の高さが証明されたこととなっています。
前回の実射訓練は日本国内の主要メディアなどでも事前に報道されていましたが、今回は世界的な経済破綻や間際のG20(緊急首脳会合 金融サミット)などで、全く聞こえてきませんでいた。皆さんは、今回のハワイ沖でのミサイル実射訓練の実施をご存知でしたでしょうか?
どさくさにまぎれてとは言いたくありませんが(言ってますケド)、一発60億円といわれるミサイルSM3を、今年もまたまるで来年度の予算組みのための年末調整のように打ち上げる必要性があるのかどうか、僕には分かりません。
2001年5月以降、ジョージ W ブッシュ政権が推し進めてきた、アメリカと共同で進めているMD(Missile Defense: ミサイル防衛)システムにかかる予算は、総額1兆円になるとも言われています。
先日の金融サミットでは、IMF(国際通貨基金)に10兆円を拠出。
11月13日、アメリカ合衆国のブッシュ大統領が、ニューヨークにて「金融規制には反対する」といった強気の自己正当化の言葉が言えたのは、もしかして、事前に日本からの10兆円拠出が分かっていたから?!?
敗戦から63年経った今、あらためて、日本はアメリカ合衆国に負けたのだなと、痛感せずにはいられません。
日本の皆さん、今回の10兆円は、紛れもない皆さんの税金です。すでにバンバン様々な国々のために、緊急融資金として遣われています。この10兆円、皆さんのところには恐らく戻ってこないと思った方が良いでしょう。
アメリカ合衆国の新しい大統領に選ばれたオバマ氏も、間もなく任期を終えるブッシュ大統領に代わり、今回のサミット期間中、オルブライト元国務長官らがオバマ氏の代理として参加国代表団と会談し、今後の対応などを協議していました。オバマ氏の時代が、もうすでに始まっているということです。
日本の皆さん、
自分たちのことなのですよ。
何でもかんでも言いなりのままで良いのですか?
もう少し本気になりませんか?
、、、話をハワイ沖で実施されるミサイル実射訓練に戻します。
今回のミサイル実射訓練に対して、ハワイの住民からも反対の声があがっています。
例えば、パールシティにお住まいのDavid M. K. Inciong, IIさんは、
アメリカ合衆国の好戦的占領下にあるハワイ王国の国民として、私はハワイ、カウアイ島付近で行われる予定の、日本の海上自衛隊によるSM3迎撃実射訓練に反対します。
それは占領の条約に違反し、何より確かなことには、中立という私たちハワイ国の地位を定めた条約にも違反しています。
ロケットとジェット燃料から排出される過塩素酸塩(エステル)は、この地域の海と、私たちがその一部を食糧源とする海洋生物に、悪影響を与えます。
さらにこの訓練を続ければ、私たちの領土で絶滅の危機にあると見なされている海洋ほ乳類に被害を与えるでしょう。
射場施設は私たちの先祖伝来の墓地の上に建設されています。私たちはまた、ハワイの史跡や遺産や文化にとり破壊的である、この太平洋ミサイル射場の閉鎖を求めます。私たちの天然塩田は、この射場の建設と使用とにより既に脅かされているのです。
日本とハワイにおける、このミサイル防衛という軍需技術の応用に私たちは反対します。その戦略は今、東アジアにおける核兵器軍拡競争を過熱させ、毒性物質と有害物質で太平洋地域に悪影響を及ぼし、そのため太平洋諸島の島民を退去させることにもなりかねないような結果となっています。
このミサイル防衛システムは、日米安保条約違反であると私は思っています。
世界市民は、富と欲と支配を求める軍需産業に恩恵を与えるためのミサイル軍拡競争という構図ではない平和を求めるべきです。
平和にチャンスを与える必要があるのです。
さらに高性能な「ねずみ取り」構築ではなく!
Mahalo,
というメッセージを発信しています。
2008年11月16日(日)、SM3発射実験の中止を求める署名事務局は、
署名の取り組みを通じて、今まで全く伝えられていなかったハワイでのミサイル実験の真実が明らかになりました。
標的となる模擬ミサイルが打ち上げられる米軍太平洋ミサイル射場が、ハワイの先住民であるカナカマオリの先祖伝来の墓地の上につくられおり、射場がハワイの史跡や遺産や文化を破壊していること。
射場と兵器実験が天然塩田をも脅かし、ミサイルやジェット燃料から排出される過塩素酸塩などの有害物質が、海やそこに住む生き物たち、住民たちに悪影響を与えていること。
ハワイの軍事化は、そもそも1893年の米国によるハワイ王国の不法転覆と長年の不法占領のうえに成立していること。
ハワイの人々はこう訴えています。
「日本政府は、ハワイの人々を刺激し、不快にさせるこのような動きに加わることを恥じるべきです」
「自国の平和憲法に反して、アメリカの危険なミサイル防衛計画に加担することを恥じるべきです」
日本政府与党は、実験を中止したうえで、今すぐ兵器実験の実態調査に着手すべきです。同時に被害者であるハワイの先住民と誠実に対話し、その声を受け止めるべきです。全ての情報を公開し説明責任を果たしたうえで、下すべき決断は、実験の断念以外にはあり得ないはずです。
野党やマスメディアの果たすべき役割も明確でしょう。実験が全く現実の想定を無視していることも含めて、ミサイル防衛に関わる重大な疑義を積極的に明らかにし、政治的争点として浮上させるべきです。歯止めを失ったかに見えるミサイル防衛の暴走に「待った」をかけるべき時です。
とコメント。394人の署名とともに、SM3発射実験の中止を求めた声明を、各政党の総裁、党首、代表、防衛大臣、主要新聞社に提出しました。
さて、ここからが本題です(え゛〜!)。
今回のG20。新興国と先進国の利害が対立し、新興国は先進国を元々良く思っていません。今回の世界恐慌も、先進国が作ったものと思っています。ですから、新興国は、基本的には覚めていて、しかし自国に影響があるので、仕方なく協力する(しかない)というのが実際のところです。
イニシアチブを取りたいアメリカ合衆国も、死に体のブッシュ政権では何の根回しもできない状態でしたが、日本が拠出した10兆円のおかげで、なんとか面目が保てました。
とはいえ、各国の思惑を満たすだけの妥協点も見いだせることなく、次回、来年2009年4月のG20に持ち越された形となりました。
これからの半年間、各国、または自分たちの勢力を守るため(だけ)に、カリカリカリカリ考える日々が続くのでしょう。
そんな中、他国(や勢力)に対し、もっと混沌とさせたい、さらに圧力をかけたい、強烈な緊張下におきたい、調和を崩したい、壊したい、乱したい、、、もしもそんな勢力があったとしたら、次はどんな策を講じると思いますか?
IMFに10兆円を出せる、まるで埋蔵金の在処を知っているかのような、でも実は何も考えていない日本国政府。それを上手に利用しているアメリカ合衆国。
今週のどこかで強行される、日本の海上自衛隊による、北朝鮮を想定したハワイ沖でのSM3実射訓練(今回も同様の想定かどうかは分かりませんが)。
お座なりにされたままのハワイの先住民たち。 一見、何の関連性もなさそうに感じるこれらのことが、妙に気になる今日この頃。
変なクリスマスプレゼントは要りませんので、どうかどうか、皆さん一人ひとりの温かなアロハスピリットとともに、ハワイの年末年始が穏やかなものとなりますように。
ハワイ沖にて初の弾道ミサイル迎撃に成功(2007年12月)
www.alohaclub.com/2007/12/2007122320071229-vol2-no51.html アルジャジーラTVより
Inside USA - The Other Hawaii - Sept 26. 2008 - Part 1
www.youtube.com/watch?v=gIq8x9vnLf4
Inside USA - The Other Hawaii - Sept 26. 2008 - Part 2
www.youtube.com/watch?v=1QqOJGSKGWQ |