「お客様がみつかりません! あと5分でバスを出しますがいいですね?」
というディナークルーズのオプショナルツアー会社からの電話に、
「もう少し待ってください! 部屋に電話しますので!」
とお願いして、お客様のお部屋に電話しましたが応答がありません。
通常、オプショナルツアーに関しては、ツアーデスクに集合をお願いして私たちスタッフがお見送りするのですが、今回のお客様は、ワイキキの一番端のホテルにご滞在のため、ツアーデスクまでの距離があるということで、宿泊ホテルから出発していただくはずだったのですが、、、
「お部屋にもいらっしゃいません! ホテルまで見に行くにしてもちょっと距離があるし、う〜ん困りましたね、、、」
お客様が滞在されているホテルとツアーデスクの距離は、徒歩で10分はかかるため、歩いていたのでは間に合いません!
「わかった! 私が走る」
と、メラメラと使命感に燃えた私!
明日以降のご予定がびっしりと詰まったお客様は、今日ディナークルーズに参加できなければキャンセルするしか仕方がありませんが、当日のキャンセルは100パーセントのチャージがかかります。ご返金ができない以上、なんとかして参加していただかなければなりません!
「無理ですよ! 走れる距離じゃないですよ〜!」
という同僚に、
「大丈夫! 次のホノルルマラソンは走るつもりだから。それに結構根性あるからやってみる!」
なんだか訳のわからない理由をつけ、
「絶対に船に乗せるんだ〜!」
と、ワイキキの街中をアロハな制服のままひたすら走り続けました!
結果、お客様は見つかり、お迎えのバスには間に合いませんでしたがタクシーにて港に駆けつけていただき、ディナークルーズに無事乗船することができてひと安心(ヨカッタ〜)!
「どうしてそんなに頑張れるの?」
と、周りの者には言われますが、性分だからどうしようもありません。
ジッとしていられない性格なのと、こういう難しい場面をやり遂げた時の達成感に満足するタイプなのかも。
ワイキキでスゴイ形相で走っている人物を見かけたら、もしかするとそれは私かもしれません(笑)。
(元添乗員) |