もう一カ月も前の話になってしまいましたが、ツーリストの皆さんにとって最も身近なワイキキの話なので、やはり紹介させていただきます。
シェラトンワイキキホテルを所有するキョーヤホテルズ&リゾート社は、シェラトンワイキキホテルの前に、砂浜を拡張する計画を発表しました。
この砂浜の拡張計画に関して、同社はまだ承認は受けていませんが、ハワイ州では、砂の埋め立てによる海洋環境への影響を調査するとしています。
現在のシェラトンワイキキホテルの前は砂浜がなく、防波堤があるだけです。
キョーヤホテルズ&リゾート社は、波の浸食でなくなってしまった「ギャリーズビーチ」と呼ばれた砂浜を再生させるとともに、T字型のビーチエリアを造ろうとしています。パブリックなエリアとプライベートなエリアを造り、プライベートエリアは、ホテルゲストのためだけに利用したいとしています。
同社は、「砂浜の拡張事業は、同地区のサーフスポットである『ポピュラーズ』の波に影響を与えるものではない」と述べていますが、サーファーの人たちは、ビーチを造るための砂の補填(ほてん)や海岸の改装事業が、波の状態を変えてしまう可能性は確実として懸念しています。
ハワイ州土地自然資源局の代表は、「今回の海岸拡張工事のメリットは、75フィートに渡り一般市民や旅行者が使用できる砂浜が造れること」と述べています。
このビーチ拡張工事を実現させるためには、ホノルル市議会、ハワイ州議会、連邦政府代議委員の半数以上の承認が必要です。
僕は占い師でも専門家でもありませんが、ここでキョーヤホテルズ&リゾート社に気がついていただきたいことがあります。
同社がビーチを拡張する理由として挙げている、「波の浸食でなくなってしまった『ギャリーズビーチ』と呼ばれた砂浜を再生させる」という点です。
波の浸食でなくなったのだとしたら、仮に補填してビーチを拡張したとしても、再び波の浸食でなくなってしまう可能性があるとは思いませんか?
それに対処すべく、「T字型のビーチエリアを造ろう」としているのだとしたら、その拡張工事に伴い、新たな波の浸食を生み出し、他のビーチが消えてなくなってしまう可能性はいかがですか?
ギャリーズビーチが無くなった理由が波の浸食だとしたら、その浸食は、他のエリアの何らかの工事が原因かもしれません。この時点では、あなた方はギャリーズビーチを失った被害者とも言えるでしょう。
しかし、それを取り戻すべくビーチ拡張のための工事を進めるとしたら、今度はあなた方が加害者になるかもしれないということを、覚悟して取り組んでいただきたいと思います。
もちろん、波に影響も与えず、潮の流れも変えず、ギャリーズビーチを取り戻せるのならば、それが一番良いのかもしれません。
ただ、ワイキキの海が、極めて絶妙なバランスのもとに均衡が保たれているのだとしたら、上記3つの良いことづくめの逆のことが、どこかにしわ寄せされる可能性もまた無視できないでしょう。
そんなことを言っていたら、何もできないではないか?
って?!?
だからよく考えて、
よくよく考えてから決めていただきたいのです。
Waikiki Project Would Create Beach - Hawaii News Story - KITV Honolulu (2007年9月19日付け)
www.thehawaiichannel.com/news/14155060/detail.html |